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弁護士さんや私たち企業法務担当者のあいだに留まらず好評を博しているこの一冊。


暴力団排除条例ガイドブック (BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS)暴力団排除条例ガイドブック (BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS)
(2011/12/22)
大井哲也、黒川浩一 他

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法務部門のある会社などでは概ね、「反社会的勢力対応」に対する認識が行きわたっているように感じています。
しかしまだまだそのあたりの認識が低い会社さんだとか、認識はしているけど「何からどう手をつければよいのかわからない・・・のでとりあえず放置」といった会社さんなども多いように思います。

本書はそんな、「とりあえず放置型」の総務部門の方などにこそお薦めしたいと、近頃は思っています。


さてさて、そのようなわけで幅広く読まれることが願われるこの本ですが、先日、といっても1か月以上前ですが、日本経済新聞に広告が出ておりまして、「読者の声」として、このBlogの記事を引用して頂いています。


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左側はご存知「企業法務マンサバイバル」のtacさんなのですが、右側は実は私だったのですねぇ。


というわけで、ちょっとだけ自慢してみました。


(ちなみに私はLexisNexisさんの回し者ではないので、対価を頂いているわけでも宣伝を頼まれているわけでも何でもなく、単純に「良いものを紹介したい」というだけですので悪しからず)
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Lexis Nexis さんから頂戴しました。ありがとうございます。


暴力団排除条例ガイドブック (BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS)暴力団排除条例ガイドブック (BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS)
(2011/12/22)
大井哲也、黒川浩一 他

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タイトルこそ、「暴力団排除条例ガイドブック」となっていますが、本の帯(amazon のイメージにないのが残念)にあるコピー、"反社会的勢力排除のバイブル"という言葉がピッタリの、まさにバイブル的な一冊です。


私は当初、業務上の必要から暴排条項(反社条項)を検討するため、反社会的勢力排除に関する書籍や論考に目を通していたのですが、いつの間にか個人的な興味からBlog記事を多く書いていました。
(ご興味のある方は、本エントリの末尾にリンクをまとめておいたのでご笑覧ください)

そして気づくと自室の本棚には10冊を超える類書が…(笑)
しかし本書は、東京都暴力団排除条例が施行された後に発売された数少ない反社排除に関する本であるとともに、これまでに世に出ている類書のうち最も実践的な一冊と言えるのではないかと思います。
この本を頂いたのは発売されて間もなくだったので、取り急ぎ感想を書こうと思っていたのですが、あまりに面白い内容だったのできっちり読みこんでいるうちに、感想を書くのがすっかり遅くなってしまいました。


さて、例によって目次の一部を抜粋します。


第1章 反社会的勢力の侵入手口と企業の対応
Ⅰ 最近の反社会的勢力排除の動向
Ⅱ 企業への反社会的勢力の侵入(関与)事例
Ⅲ 反社会的勢力排除の内部統制システム

第2章 反社会的勢力のチェック方法
Ⅰ どこまでを反社会的勢力とするのか
Ⅱ 反社チェックのポイント

第3章 暴排条項の導入
Ⅰ なぜ暴排条項が必要なのか
Ⅱ 暴排条項導入の留意点
Ⅲ 暴排条項のバリエーション

第4章 契約の拒絶・解除の実務
Ⅰ 契約締結前の取引拒絶
Ⅱ 契約締結後の解除の法的リスク
Ⅲ 既存取引先との関係解消の実務

第5章 海外の反社会的勢力
Ⅰ グローバルな要請に関する最近の動向
Ⅱ 海外反社排除の取り組み方
Ⅲ 海外反社対応のための英文版誓約書・暴排条項

第6章 雇用関係等からの反社会的勢力排除
Ⅰ 従業員に対する属性確認義務
Ⅱ 従業員が反社会的勢力に該当する場合の対応
Ⅲ 業務委託スタッフの場合

第7章 上場審査の実務及び出資者・株主への対応
Ⅰ 上場審査を受ける場合
Ⅱ 反社会的勢力との関係発覚による上場廃止
Ⅲ 出資者・株主への対応

第8章 暴力団排除条例の解説
Ⅰ 条例制定の背景と経緯
Ⅱ 条例の主な規定
Ⅲ 条例制定の狙い
Ⅳ 暴力団に対する利益供与の禁止規定の解説
Ⅴ 暴力団に対する名義貸しの禁止
Ⅵ 暴力団との密接交際
Ⅶ 公共事業からの暴力団排除
Ⅷ 民間事業からの暴力団排除
Ⅸ 不動産取引からの暴力団排除
Ⅹ 暴力団の威力利用そのものの禁止
Ⅺ 福岡県条例の改正
Ⅻ まとめ

資料
各都道府県の暴力団排除条例における特徴的な規定



第2章のうち「反社チェックのポイント」には実に62ページが割かれています。
ここには「最低限必要な取組み」といったことから、反社チェックの深度に応じた調査項目の例、さらにはチェックリストから取引先管理台帳のサンプルまで、これでもかといわんばかりに現場で役立つ情報が紹介されています。
そしてこの「サンプルをバンバン出す」というスタンスは、最後まで貫かれています。

次に第3章の「暴排条項のバリエーション」も、あるべき論に留まらないところがお役立ちです。
最高水準の暴排条項~一般的水準の暴排条項~簡易版の暴排条項、さらに取組みが進んでいる業界の暴排条項例などのサンプルが提示されているので、自社の業種やスタンス、或いは取引の相手方との関係を考慮しながら、自社に最適な暴排条項を考えてみる素材として最適だと思います。
実際に私も自社の暴排条項を、このサンプルを参考に少し修正しました。

さらに第5章、海外の反社会的勢力。ここは私がとても興味をもっているところでもあり、英文版の暴排条項など、他ではなかなかお目にかかれないような書式を見ることができます。
少なくとも私が英文契約書に暴排条項を入れ始めた頃は、日本語の暴排条項を単純に英訳した程度のものしか作れなかったので、「あのときにこんなサンプルがあったらなぁ…」と思わずにはいられません。
もちろんこのサンプルを参考に、早速英文契約書の暴排条項も修正しました。

そして圧巻は、「企業法務戦士の雑感」さんでも触れられていた、巻末資料「各都道府県の暴力団排除条例における特徴的な規定」という、全都道府県の暴排条例の一覧。
単純に資料として興味深いのはもちろん、全国規模で事業を展開されている会社(まぁ、まずほとんどの会社さんが該当するのではないかと思います)の法務担当者としては、都道府県によってそう大きな違いはないとはいえ、特徴のある条例(例えば福岡県)については、概要を知っておく必要があるものと思います。
先日、埼玉県の会社が東京都暴力団排除条例の適用を受けていましたが、つまり「ウチの会社は東京だから東京都の条例だけ見とく」では、ちょっと認識が甘いと言わざるを得ないわけです。


その他にもいろいろと紹介したいところはあるのですが、長くなり過ぎるのでこの辺で。
何はともあれ、現時点で最も実践的な内容の「反社本」として自信を持ってお薦めします。


最後にこれは私見ですが、ある程度の規模の会社であれば何かしらの対応は既にされているものと思います(されていなければ、急ぎ対応する必要があります)。しかしながら会社によっては法務担当者がおらず、総務担当者が片手間に契約書を見ていたりしていて、「暴排条例が施行されたって聞いたけど、何をすればいいのかよくわからない」というケースも多いのではないかと思います。
本書は、そのような方にとっても「バイブル」として十分に活用できる親切な作りになっていると思うので、是非一度手に取って頂ければと思います。


ちなみに本書は、「dtk's blog」さん、「企業法務マンサバイバル」でも紹介されているので、違う切り口の書評も参考にしてみてください。


遅ればせながら、今年もよろしくお願いします。



【過去記事】
暴力団排除条項について考えてみた。(前半戦)
暴力団排除条項について考えてみた。(後半戦)
暴力団排除条項について考えてみた。(延長戦)
反社会的勢力対応のいま ―金融法務事情1901号より
東京都暴力団排除条例の施行と暴排条項 前半戦
東京都暴力団排除条例の施行と暴排条項 後半戦

【おまけ】
府中市暴力団排除条例
第12条が府中市ならではです。
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