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D1-Law nano 判例20000 2011 Edition (重要判例20,000件超を収録したUSBメモリー!)D1-Law nano 判例20000 2011 Edition (重要判例20,000件超を収録したUSBメモリー!)
(2011/04/01)
不明

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何ともありがたいことに、この商品を第一法規さんから頂きました。
第一法規の皆様にはこの場を借りてお礼申しあげます。ありがとうございます。

さて既に、この商品については「企業法務マンサバイバル」のtacさんや、「dtk's blog」のdtkさんなどが詳しく紹介されているので、私ごときがコメントする意味はあまりないようにも思いますが、あえてそのようなことはお構いなしで感想など書いてみたいと思います。


そもそもこのUSB判例データベース、2010年に発売されたときに、私は個人的に購入しようかどうか迷っていました。
というのも、ASP型の判例データベースを提供されている会社はいくつかありますが、いずれもいかんせん"高い"というのが正直な感想。
弁護士事務所や学者さんであれば、コストに見合うだけの利用をされるのかも知れませんが、私のように小規模な法務部門で働く人間がそこまでバンバン使うこともないだろうと考え、判例データベースの導入は見送っていました。

そのような経緯もあり、判例データベースについては裁判所の判例検索システムを必要であれば利用するという程度に留めていたわけです。
さてそんな折、USBの判例データベースが第一法規さんから発売されたことを知って、「これなら自腹で買ってもいいかな」と考えていたわけです。
しかしそうはいっても21,000円します。
買ってみてから「使えないなあ」と簡単に放り出すには少々痛い金額です。
また「重要判例20,000件超を収録」と言われても、20,000件がどの程度のものなのか、つまり実務上裁判例にあたってみるときに事足りる件数なのかどうか、今ひとつピンときませんでした。
そしてそうこうしているうちに、2011年版が発売されたわけです。


ところで少し話は変わりますが、「経営戦略―論理性・創造性・社会性の追求」 という本に、以下のような一節があります。


ベンチャー企業の特徴は、その成長過程において、リスクを冒しながら、なおかつそのリスクを減少させようとするという「リスク・パラドックス」に常に直面していることである。そのリスクをいかにマネジメントしていくのかは、ベンチャー企業の成長にとって本質的な問題と言える。



決してベンチャー企業だけに限られる話ではないでしょうが、全く新しい事業や取組みを行うにあたり、この、「リスク・パラドックス」は、個人的にまさしく日々直面している問題でもあります。
そしてそのような事業や取組みのスキームを作る段階から、法令違反がないか、或いはどのような手当てをしておく必要があるかなど、いろいろな文献にあたって調べることが、案外日常的にあります。
もちろんそのようなときには顧問弁護士の意見を聞いたりもするのですが、保守的な回答しか得られないこともよくあります。
特に多いのが、「このようなリスクがあるのでこのような対応をしておくことが望ましい」というような回答。そしてその、「このような対応」をした方が安全なのはわかるけど、それができないから頭を使っているのです、という状況になることも珍しくありません。
そんなとき、「この本にこんなことが書いてある」とか「こんな裁判例がある」ということを調べたうえで、スキームを検討し直して再度相談したり、関係するお役所に問題ないかを確認に行ったりする、ということもあります。


だいぶ話が逸れてしまいましたが、時間とお金がふんだんにあるわけでもないベンチャー企業の法務担当者にとって、毎月チャリンチャリンとお金を払う方式ではなく、USBメモリーに入ったデータをバサッと買い取ってしまうこの商品は、非常に魅力的に見えたわけです。
(あとまあやはり個人的にも、「どんなもんじゃろか!?」と、興味は湧きますよね)

ちなみにこの商品の詳細は、本家のHPに記載されていますので、スペックなどの概要はそちらをご覧頂いたほうが早いかと思います。

さて何だかウダウダと書いてきましたが、結局私たち法務担当者にとって一番の問題は、
本当に使えるのか?
という一点にかかってくるものと思います。

そしてこればかりは実際に使ってみないことには、何とも言えないところですが、幸い第一法規さんから頂戴したおかげで、実際に使ってみることができました。

感想。
これ、とてもいいです。

何といっても検索性がいい。
ネット環境がなくても、そしてもちろん回線速度などに関わりなく、ズバっと一瞬で「検索ワード」に関連する裁判例が表示されます。
そして「20,000件ってどうなの!?」という不安もすぐに打ち消されます。最高裁判例はもちろん、下級審の裁判例についても結構な数がヒットしますから。
当然、あらゆる裁判例が網羅されているわけではありませんが、企業法務担当者として「欲しいレベル」は軽々と超えているのではないでしょうか。

例えば「株価」などというテキトーな言葉で検索してみると、以下のように210件がヒットします。

46fbc85a.jpg


検索結果にはもちろん、ここ数年話題となった、レックス・ホールディングス社、サイバードホールディングス社、サンスター社などの価格決定申立て事件に関する、地裁・高裁・最高裁の決定なども表示されています。

そこで試しにサンスター社の価格決定申立て事件の要旨を見てみましょう。

8f68c64e.jpg


キャプチャーでは若干見づらいかも知れませんが、決定の要旨だけでなく、裁判官の名前やこの決定に関する評釈が掲載された雑誌の号数などまで表示されます。
そして画面右端にはこの決定に関係する法令(ここでは会社法第172条)が表示され、ここをクリックするとtacさんが「芋づる式」と表現されているとおり、この規定に関連する裁判例をズラズラと引きずり出すことができます。
この「芋づる」は、非公開会社の価格決定申立て事件など、ややマニア心をくすぐられるものにもつながっているので、「ほほう」などとつぶやきながら、楽しく読んでしまったりします。

さていよいよ本文を見てみましょう。
スクリーンショットの赤で囲った部分をクリックすると、本文が表示されます。

fff402d2.jpg


そしてさらに、「解説」をクリック。

edf2652a.jpg


なんと判例タイムズ社の解説を読むことができます。
この、判例タイムズの解説は全ての裁判例等についているわけではありませんが、第一法規さんが「最重要判例」と判断したものにはついているとのことです。
私がちょっと見てみた限りでは、収録されている解説の件数や割合はわかりませんでしたが、感覚としては「結構掲載されているなあ」という印象を受けました。とはいえ、この印象には当然個人差もあるでしょうから、おまけ程度に考えていたほうがいいかも知れません。


「興味はあるけど使えるものなのかどうか不安だ」という方も結構いらっしゃるものと個人的にニラんでいるこの商品。
理想をいえば一度試しに使って確認したいところだと思いますが、私としては「買って損はない」というか、「是非持っていたい」と感じました。
実際、いつも持ち歩いているPCのインナーケースには、この商品を入れています。

ただ「会社のセキュリティ上USBはノー」という方や、「もっとお手軽に調べたいんじゃ」などという方のためにも、スマホやタブレット向けのアプリとして発売されると歓迎されるのではないかとも思います。

以上、思いつくまま気の向くまま、感想をツラツラと書いてみました。
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鐵丸先生のこんな法務じゃ会社がつぶれる―最新ビジネスロー問題を5分で解決 (鐵丸先生の“明快答”で、どんな法務トラブルも一発解決!)鐵丸先生のこんな法務じゃ会社がつぶれる―最新ビジネスロー問題を5分で解決 (鐵丸先生の“明快答”で、どんな法務トラブルも一発解決!)
(2010/09/27)
畑中 鐵丸

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第一法規さんから頂きました。ありがとうございます。


さて、本書のターゲットは企業法務担当者というよりはむしろ、中小企業の経営者や、ある程度大きな企業の管理職以上といったところでしょうか。

「世の中、コンプライアンス、コンプライアンスってうるさいけど、ウチは大丈夫なのか?」

というような、自社のコンプライアンス体制に若干の懸念を持っていらっしゃる中小企業の経営者の方などが、割と手軽に企業法務全般のトピックに触れることのできる一冊ではないかと思います。

「はじめに」で、


・企業法務をおろそかにする会社が潰れる時代
・これからの企業のトップは、法律オンチでは務まらない
・経営トップに対するリアルな法務指南の現場を公開



という項目が立てられているところからも、そのようなターゲット像が読み取れます。


とはいえ、もちろん私たち法務担当者にとっても、「へぇ~」と今更ながら知るようなことも多くあって、なかなか面白い読み物に仕上がっています。


まずは、例によって目次を引用します。


序章  企業法務課題の合理的整理法
第1章 企業組織運営・M&A・事業承継にまつわるトラブル
第2章 「ヒト」を使う際のトラブル
第3章 「モノ」の調達・製造・販売のトラブル
第4章 「カネ(信用・債権)」にまつわるトラブル
第5章 「チエ(技術・情報・ブランド)」に関するトラブル
第6章 営業にまつわるトラブル その1・企業間営業活動(BtoB)
第7章 営業にまつわるトラブル その2・消費者向け営業活動(BtoC)
第8章 国際法務に関するトラブル
第9章 その他の企業法務課題



目次をご覧頂けばわかるように本書のキモは、「企業法務」というものを「各企業法務活動を企業が展開するビジネス活動に沿って俯瞰する形で整理して」いるという点にあります。
この点、「企業法務課題の合理的整理法」という章をはじめに置いて、本書の構成を説明しているあたりからも、この「整理法」に対する自信とこだわりが窺われます。
確かに、「予防法務」や「戦略法務」という切り口や、「契約法務」や「会社法法務」という切り口より、一般的にはスッキリとしていてわかり易いのではないかと思います。

ところで著者の畑中鐵丸先生は、会社法務A2Z(”エートゥーゼット”ではなく、”エートゥーズィー”と読むということを最近知りました)にて、「鐵丸先生の生兵法務は大怪我のもと!」を連載されているので、ご存知の方も多いのではないかと思います。
パチンコ玉を想起させるようなインパクトのあるお名前も、一度聞いたら忘れられません。


さて肝心の中身ですが、1章あたり4項目前後の具体的な「相談」に対して、解説がなされ、最後にまとめとして鐵丸先生が「回答」をする、という体裁が繰り返されます。
「相談」はちょっとしたストーリー形式になっており、「ナニワ金融道」や「カバチタレ」のような、ちょっとドロっとしたテーマが多いように感じましたが、関西の言葉が使われているからそう感じただけかも知れません。
この構成についてはdtkさんが、


その一方で、著者の回答部分は比較的分り易いものの、その前の解説部分は、法務の人にとっては特に読みにくくはないけれど、この本で読者として想定されていると思われる、その他の皆さんにとっては、読みにくいかもしれない。もう少しボリュームを増やしてでも、さらに噛み砕いた解説にしたほうが親切かもしれない。さもなくば、解説部分は、思い切りよく、省略した方が良かったのかもしれない。



とおっしゃっているように、私たち法務担当者にとっては、解説部分が最も興味深い部分である反面、法務に関する素養があまりない方にはちょっと難しく感じるかも知れません。

このあたりのレベル感は、「ITエンジニアのための『契約入門』」を書いた際に、私たちも喧々諤々の議論をしたところで、ターゲットがはっきりしていないとバランスが難しいものです。

あとになって見返してみましたが、私が線を引いてdog-earをしているのも、ほとんどが解説部分でした。
というのも、解説部分には、「回答」の前提となる根拠法令や裁判例がきちんと掲載されているので、「この程度のことは全部知ってるぜ!」という法務担当者を除けば、「ほほぅ」と勉強になることも多くあるかと思います。

およそ260ページ、そして952円(税別)というお手軽な価格。法務担当者であれば、「ほほぅ」とか「へぇ~」とか言いながら2時間もかからず読み終えることができると思います。
というわけで、通勤のお供にいかがでしょうか。


ところで次回作は、「こんな会社じゃ法務がつぶれる」でお願いしたいと思います。
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