千葉博弁護士のブログについては、過去に何度か紹介させて頂きました。

ご存知の方も多いかと思いますが、千葉先生は非常に多忙な弁護士でありながら、司法試験受験予備校の講師としても、「受験界で知らない人はいない」というほどの人気講師です。

過去にこのBlogに書いたことがあるのですが、私は幸いにして、前職で千葉先生と一緒に仕事をさせて頂く機会を得ました。
それからというもの、千葉先生は私の「憧れの人」でもあるのです。

話をさせて頂くとすぐに気付くことなのですが、千葉先生の頭の回転の早さは驚くべきものです。
私の拙い説明を(大量の資料を読んだりしながら)瞬時に理解し、私が話をしているうちに既に千葉先生の頭の中には資料の内容を踏まえた「仮説」ができあがっているのです。

またいつもにこやかで物腰も柔らかく、優しく相槌を打ちながら話を聞いてくれるのが常です。
とはいえ、油断をしていると鋭い質問や指摘が飛んでくるので、ただニコニコと話を聞いて下さるだけではないのですが(笑)

さて、前置きが長くなってしまいました。
そんな千葉先生なのですが、今回はじめて、「法律と関係のない本」を書かれたそうです。

先日お会いした際に頂戴したのですが、あまり商売っ気のない千葉先生ですので、宣伝じみたことを勝手にするのは憚られますが、とても面白い内容でしたので、感想など書かせて頂こうと思った次第です。


1番難しい試験に合格させるプロが書いた! スランプに負けない勉強法 (どんな目標も達成できる!自分をマネジメントする30の習慣)1番難しい試験に合格させるプロが書いた! スランプに負けない勉強法 (どんな目標も達成できる!自分をマネジメントする30の習慣)
(2010/04/20)
千葉博

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フォレスト出版さんらしく、少々ショッキングな言葉が帯に並んでいたり、表紙が派手だったりするのですが、それはご愛嬌ということで。

さて本書は、タイトルこそ「勉強法」となっていますが、その内容は単なる勉強法に留まらず、私たちビジネスパーソンにとっても、仕事(やそのための勉強)に活かせる千葉先生式の考え方が、余すことなく披露されています。

私はこれまで、千葉先生のBlogは司法試験受験生に向けて書かれているような印象を持っていました。
しかし本書を読んで、千葉先生がBlogで書いていらっしゃる「勉強法」というのは仕事や日常生活にも応用可能な、普遍的な「モノの考え方」なのだということに気付きました。


ところで千葉先生は本書において、「自分をマネジメントする30の習慣」の一つとして、

「変わることを恐れない」

ということをおっしゃっています。


おそらくは、この「変わることを恐れない」ということが、千葉先生の最も伝えたかったメッセージなのではないかと、私は思っています。

たいていの人は(少なくとも私は)、「自分が変わる」きっかけは、大きな壁にぶつかった経験にあるのではないかと思います。
もちろんそのような壁にぶつかることもなく、順風満帆な人生を送っていらっしゃる方もいることでしょうが、私は痛い思いをしないとわからないバカちんなのです。
きっと司法試験などの難関資格の受験生の方々も、合格までの道のりで、千葉先生がいうところの「スランプ」を経験して、「自分が変わる」経験をしていくのかな、と想像するわけです。

ここで壁にぶつかったときに、さらに「一歩前に出る」ことによって、仕事や受験やもっと大きな試練を乗り越えていくことができるのでしょうね。
もちろん自分自身が「敗北」を認めるまではそのような試練も、単なる「過程」でしかありません。
諦めない限り、「敗北」や「失敗」はないわけです。

今回千葉先生の本を読んで、そんなことをあらためて考えさせられました。
司法試験受験生に限らず、仕事や人間関係などで壁にぶつかっている方には、一読をオススメします。

ちなみに千葉先生も書いていらっしゃいますが、自分の体力や気力が落ちていく傾向や予兆を知っておき、できる限りその前に対処することが、継続的に高いパフォーマンスを発揮し続けるには必要なのだと思います。
私は大したパフォーマンスを発揮できるわけでもないのですが、このあたりは気をつけていて、疲れが溜まったときの対処法をいくつか準備しています。


最後に「あとがき」にある千葉先生の言葉を紹介したいと思います。
このことをわかっているかどうかが、「結果を出せる人」になれるかどうかの分水嶺になるという趣旨のようです。


いざというときに、自分を信じる力があるかどうか。
チャンスがあったら素直につかむ力があるかどうか。
絶望の淵に落ち込まない自分がつくれているか。
仮に陥っても挫折しない自分を持っているかどうか。
立ち直り方を知っている自分であるかどうか。



人生に上り坂と下り坂があることを知っている人は強いです。