先日予告したとおり、今日は第一種衛生管理者試験を受けてきました。


よく喫茶店などの調理場入り口に「食品衛生責任者 佐藤一郎」などと、店長の名前などが書いてあったりしますが、私はこの第一種衛生管理者試験を受けると決めたとき、そのようなノリの試験かと思っていました。
つまり、講習を何時間か受けて、簡単な試験があって、「はい、資格授与」というようなものかと。
なので、私の勤める会社の人事を中心とした管理部門の面々が「あー、勉強しなきゃ」と言っているのを、やや不思議に思っていたわけです。

しかし試験直前にテキストを買ってみて、少し驚きました。
結構内容が濃いのです。
しかも私にとって未知の分野ばかり。

うっかり、「第一種にします」とは言ったものの、私が勤める会社はコンサルティング会社で、有害業務を扱う会社の人を対象にした「第一種」を取得する意味は全くなかったわけです。
そうはいっても乗りかかった船ではありますので、やるからには合格したいと思うのが人間の性。
試験の4日前から、通勤時間と昼休みを勉強に充てることにしました。

ここでこの資格の説明を簡単にしようと思います。
第一種衛生管理者試験の出題範囲は、大きく分けて3つあります。

一つ目が「労働生理」。心臓のことや脳のことや神経のことなど、体のことを学びます。
これが思いのほか面白く、「へえ、膵臓ってこんなとこにあったんだねぇ・・」などと感心しながらテキストを読んでいました。

二つ目が「労働衛生」。職場の適正な温度・湿度、空気環境・照明や健康診断のことなどを学びます。
この分野の「第一種」はきついです。何せイメージが全くわかないものですから。

塩化ビニルモノマーは、クロロホルム臭のある無色透明の気体で、手指のレイノー症状(白色発作)や指の骨の溶解(指端骨溶解)、皮膚の硬化、肝障害、肝臓の血管肉腫がみられます。


・・・・?
となってしまいます。

そして三つ目が「関係法令」。
労働安全衛生法、有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、酸素欠乏症等防止規則、その他聞いたこともないような法令が目白押しです。多少の知識があるのは労働基準法くらいでした。


でもね、いずれの分野もテキストを読んでると結構面白いんですよ。

しかしそうは言っても、勉強を開始したのがあまりに遅すぎた。
試験当日の朝の時点で、400ページあるテキストの半分も読めていない状態。
朝10時に家を出たので、13時半の試験開始までの3時間半のうちに全ページを読破し、過去問をさらっと確認することを目標に定めました。
私は集中力には割と自信があるのですが、さすがに試験開始前に全ページ読破は無理でした・・・
かなり速読をしたものの、三つ目の分野である「関係法令」に入ったところでタイムアップ。
これまでに読んだテキストの記憶と、今まで生きてきて身に付けた常識に頼るしかない状況で試験を受けることとなってしまいました。

試験時間は3時間あるのですが、時計を忘れた私は時間がわからず。
おまけに鉛筆と消しゴムも忘れ、たまたまカバンに入っていたシャーペンで乗り切る始末。

1時間が経過したところで試験官が、「終わった方は退室して構いません」と声を掛けてくれたので、「あっ、1時間経ったんだ」とわかりました。
44問しかないので、1時間もあれば充分に解答はできます。
問題用紙の持ち帰りが禁止されていたので、私は試験時間を使って自己採点をすることにしました。

各分野それぞれ4割の正答率かつ全体で6割の正答率で合格、と聞いていたので、それに基づいて、「自信あり」「自信なし」で正誤をつけていったところ、何とか合格レベルには達しているようでした。
まあ、そうは言っても、「自信あり」と思い込んでいるだけの部分もあるかと思うので、結果が出るまではわかりませんが・・・


試験は高田馬場の早稲田大学であったので、帰りに早稲田セミナーの購買部で、民法の書籍を買おうと寄ってみたのですが、なぜか「当面閉店」。その他の状況を見ても早稲田セミナー全体の活気が落ちていました。
早稲田セミナーといえば、司法試験・司法書士試験受験指導に関して、超有名講師がキラ星のごとくいたのですが、閑散としてしまっている状況は寂しい限りです。

それにしても早稲田の喫茶店「シャノアール」は、20年近く前から変わっていませんでした。