MBA経営戦略MBA経営戦略
(1999/04)
グロービスマネジメントインスティテュート

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「Strategy」という言葉も、職場で普通に使われるようになってきましたが、個人的にコツコツと勉強している分野でもあります。
今回、マイケル・ポーターの「競争の戦略」に挑戦する前のステップとして、グロービスのMBAシリーズを読んでみることにしました。
本書は、「戦略とは何ぞや」というところから始まって、現在の戦略論の概要をおおまかに掴むことのできる、入門者に最適な一冊です。


戦略には、全社戦略(Corporate Strategy)、事業戦略(Business Strategy)、職能部門別戦略(Functional Strategy)と3つの階層があるのですが、本書は序章でこれらの全体像を把握し、第1章で全社戦略、第2章で事業戦略、そして第3章で戦略の策定方法や組織の変革、戦略と財務の関係などを学ぶという構成になっています。

本書はグロービスのシリーズなので、海外の経営書と違って、取り上げられているケースが日本企業中心です。なので、「経営戦略を学ぶ」という目的を抜きにしても充分興味深い内容に仕上がっています。
例えば全社戦略の部分では、SONYやCanonの戦略が取り上げられていますし、事業戦略の部分では、HONDA、モスバーガー、ブリヂストンなどの戦略が取り上げられています。
これらの企業がどのような戦略によって成長してきたのか、また失敗をしたのかが、非常に詳細な資料とともに述べられています。
そのような日本企業のケースをもとに、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)やSWOT分析などを学ぶのですが、三枝匡さんのフィクション、「戦略プロフェッショナル」に負けず劣らず、読み応えのある一冊に仕上がっています。

法務部門に留まらず経営に関わる仕事をしていきたい、というような方には一読をオススメします。