風にころがる企業ホーマー

企業法務や経営に関することについて、情報発信していきまーす!

2010年03月

昨年の11月のことだったか、12月のことだったか・・・

twitter上で、いわゆる「暴排条項」のことについてつぶやいたところ、@unza_unzaさん(金融関係の法務にとても詳しい方です)から、「金融法務事情の12月5日号に特集がありますよ」という情報を頂きました。

そこで早速、きんざいさんに電話をして、12月5日号を購入しました。
(余談ですが、きんざいさんは「月刊登記情報」なども発行しているので、時々単発で雑誌を購入させてもらっているのですが、対応がとても早くて親切なので、助かっています。)

@unza_unzaさんには、お礼の言葉を伝えるとともに、「近日中に暴排条項についてBlogに記事を書きます!」と宣言しました。
@unza_unzaさんは、「そんなのどうでもいいよ」と思ったのかどうかはわかりませんが、「楽しみに待っています」という返事をくださいました。

それから3~4ヶ月。
まだ、書けていません。

というのも、NBLの1月15日号から、「暴力団排除条項」という連載が始まったので、この連載を読み終えてからにしようと考えたわけです。
(「連載は1ヶ月前に終わっているではないか」というツッコミはやめてください。)

さて本題です。

暴排条項については、政府指針と呼ばれる「企業が反社会的勢力からの被害を防止するための指針」が、2007年に示されたこともあり、契約書に盛り込まれることが多くなっています。

上場企業の一部などでは、取引基本契約書などを過去に取り交わしている相手先に、「確認書」などの提出を求めるなどして、「反社会的勢力と関わりがない」ことを表明してもらうなどの対応をしているようです。


さて、上述した「金融法務事情」ですが、当該号においては「暴排条項」の総論的な話に終始しています。
そのため、他の文献等である程度の知識を得ている方にとっては若干物足りない部分もあるかと思います。
しかし、企業がどのようにして反社会的勢力と関わりを持たないようにしているか、或いは図らずも関わりを持ってしまった場合にどのようにして関わりを断てばよいのかということを知るためには、簡潔にまとまっていて参考になるかと思います。


一方「NBL」の方は全3回にわたり、「暴排条項」の条項案を提示しながら、割と細かいところまで言及されています。
第1回目の921号では、「金融法務事情」とは切り口は異なるものの、やはり「総論」として、「暴排条項」の意義や機能などについて言及されています。
第2回目の922号の「継続的契約」をテーマにした部分までは、どの業界の法務担当者であっても関わりの深いところで参考になるものと思います。

922号の途中から923号にかけては、「不動産賃貸借契約」「保険契約」「区分マンション管理規約」という契約類型において、「暴排条項」が持つ意義や問題点が具体的に記されています。
特に「保険契約」の項目においては、損害保険・生命保険それぞれについて、保険というものの社会的な意義と、反社会的勢力排除の必要性の相克が非常に興味深いです。
この点に関しては、警視庁が発行している某ニュースレターにおいても、「暴排条項と保険約款」というタイトルで、ある有名な弁護士が簡潔にまとめているものがあるのですが、保険会社にとっては難しいテーマのようです。

このBlogにおいては、「暴排条項」に関する総論的な話と、企業法務担当者のはしくれとして思うところについて簡単に書いてみたいと思います。


「暴排条項」というと、「属性要件」「行為要件」の二つで定められるのが常識となっていますが、「属性要件」に該当することを理由に契約を解除することは、以下の理由で、なかなか難しいのが現実だと思います。


反社会的勢力といえば、「暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標榜ゴロ、特殊知能暴力集団」を指すというのが、警察庁のおおまかな解釈のようです。
しかし、これらに該当することを調べることはもちろん、ある程度の確度をもって該当することが確認できたとしても、それを明確に証明することは非常に難しい問題です。
銀行や証券会社といった金融業界・警察・証券取引所というのが、反社会的勢力に関するデータを最も多く持っている主体だと思いますが、これらのデータは公開されているわけではありません。
しかし一般の企業が精度の高い、反社会的勢力に関するデータベースを構築するのは困難ででしょう。

そのため一般の企業としては、日経テレコン21などのデータベースを利用して調べたり、「これは!」と思うような取引先が特定された段階で警察に照会をかけたり、調査会社に調査を依頼したりするのが現実的に取り得る手段かと思います。
しかしそのような手段で、「この取引先は反社会的勢力であろう」ということが、一定の確度をもって認識できたとしても、指定暴力団の構成員が役員であるなどという場合はさておき、通常はなかなか証明することが難しいでしょう。
少なくとも、「あなたの会社は反社会的勢力と関わりが深いようなので、取引をやめます」と正面切って言えるほどの明確な証拠を示すことが難しいことは想像に難くないところです。

もちろん、取引開始前にそのような事実が判明した場合には取引を行わなければ済む話ではありますが、取引開始後、特に継続的な取引が続いている相手にそのような事実が判明した場合、いかにして関係を断つかというのが重要なテーマになっています。

社長が指を詰める

という言葉が頭をよぎりましたが、これは冗談です。


長くなってしまったので、次回に続く。
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先日、虎ノ門に行く用事がありました。

虎ノ門には別の用事でちょくちょく行くのですが、今回はある弁護士との交渉。
交渉自体はすぐに終わり、次に約束のある弁護士事務所への訪問時刻までに少し余裕ができました。

そこで、虎ノ門の大戸屋で急いでお昼を食べ、「書原」に行きました。
僕は自宅近くにある「書原」の本の品揃えが好きでよく行くのですが、虎ノ門(正確には霞ヶ関店のようです)の書原は、その土地柄からか、法律・会計・経営書の充実ぶりが素晴らしく、見ているだけで楽しくなります。

数冊欲しい本を見つけたのですが、本の紙袋を抱えて次の訪問先に行くのも何なので、一冊だけ購入して、あとはタイトルだけメモってきました。

さらにせっかく時間があったので、東京地裁で裁判の傍聴を少しだけしました。
久しぶりに行ったのですが、開廷表に「裁判員裁判」と書かれたものが多くあり、裁判員裁判が本当に始まっているのだなあ、と今さらながら実感。


さてその翌日、今度は南青山に用事があり出掛けました。
やはりお昼を急いで食べ、今度は「青山ブックセンター本店」へ行きました。

ここもやはり土地柄からか、写真集・思想・デザインといった書籍の品揃えが素晴らしく、見ているだけで楽しくなります。
昔、コピーライティングの勉強をしていた頃は、ここで広告に関する本を買ったりしたものです。
また欲しい本がいくつか見つかったのですが、持ち合わせがあまりなかったので、やはり一冊だけ買って、あとはタイトルだけメモって帰りました。


そんなわけで、本屋をブラブラするという、小さな幸せを感じた2日間でした。
電子出版の時代になっても、本屋で本を眺めるという楽しみは捨てがたいですね。
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知れば怖くない!弁護士法72条の正体知れば怖くない!弁護士法72条の正体
(2008/04)
吉岡 翔

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ずいぶん前から積読状態になっていたのですが、ようやく読むことができました。

このBlogをご覧になっている方はもちろんご存知かと思いますが、弁護士以外が法律事務等を行うことを禁止している「弁護士法72条」に関する本です。

念のため弁護士法72条の条文を転記しておきます。


(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第72条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。



弁護士以外が法律事務等を行うことを一般的に「非弁行為」などと呼んでいますが、72条を読んだだけでは、何が禁止されていて、何が禁止されていないのか、今ひとつわからないところではあります。

本書の著者は行政書士であり、ご自身の身内の交通事故処理をめぐり、行政書士資格を取得されたそうです。
そして主に交通事故による紛争の処理を生業とされていらっしゃるようです。
つまり、まさに弁護士法72条違反と合法の境界がどこにあるのかを、日々意識しながら業務を行っていらっしゃる方といえるでしょう。


私たち企業法務担当者としても、弁護士法72条というのは決して遠い世界の話ではありません。
例えば親子会社間で、親会社の法務担当者が子会社に対して法的助言をすることに問題があるのではないか、という話題はよく採り上げられます。
或いは、例えば証券代行業の法務コンサルティング業務なども、72条違反にはかなり気を遣うところだと思います。

本書によれば、現実に弁護士法違反で検挙された人の数などは微々たるもので、よほど悪質な示談屋などでなければ、滅多なことでは72条が適用されることはなさそうです。
上に掲げた、子会社への法的助言や証券代行業による法務コンサルティングなども、常識の範囲内であれば、裁判所のお世話になるようなことはおそらくないでしょう。

しかし今日のコンプライアンス重視の風潮からすると、「法律事務」と呼べそうなものについて有償でサービスを提供することには、どうしても消極的にならざるを得ないでしょう。

だからといって、私は別に、「弁護士法72条を撤廃しろ」などということを言いたいわけではありません。
むしろ、本書の著者の意見とは異なりますが、示談などの法律的な事件の処理は、弁護士が行うべきだと思います。

ただやはり、予測可能性という側面から考えると、「何をやると72条違反になるのか」ということをもう少しわかりやすく示す必要はあるのではないかと思います。

また、「法律事務等は原則として全て禁止、他の法律(例えば行政書士法やサービサー法など)で認められているものは除外する」という建付けは、新たなビジネスを行う者にとって、過度に萎縮効果をもたらすのではないかと考えています。

隣接士業、特に行政書士については多少の裁判例の蓄積もあるようですが、一般企業についての裁判例は寡聞にしてあまり知りません。
国は、一般企業が法務サービスとして提供可能なものと、そうでないものについて、ガイドラインやQ&Aなどの形式で示す必要があるのではないかと思います。


最後に、本書を読む際の注意点を2点ほど挙げておきたいと思います。
①学説の解釈について、ところどころ著者の主張が混在している。
②著者が行政書士であることから、行政書士が行う法律事務の合法性に記述が偏っている。

以上を差し引いて読めば、弁護士法72条が実務上どのように扱われているか、ある程度理解できるのではないかと思います。
特に、裁判例、他の書籍や新聞記事などの情報がかなり多く集められているので、資料としての価値は案外高いと思います。



-------
2010.3.24追記
dtkさんのところに関連したエントリーがあることを教えていただきました。
下記リンクが、親子会社の法務サービス提供に関する法務省の見解のようですので、リンクを貼っておきます。
(ココ)
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中原中也  新潮日本文学アルバム〈30〉中原中也 新潮日本文学アルバム〈30〉
(1985/05)
不明

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「No Image」なのが非常に残念。
amazonさーん、写真載っけてくださーい!

この本は、1年くらい前から「そのうち買おう」と思い続けていたのですが、今回ようやく勢いで購入しました。

「ビートルズは武者小路実篤だった!」という、一年近く前のエントリー(結構今でもアクセスがあります)で、原田宗典さんにお会いしたことを書いたことがあります。
それ以来、武者小路実篤の詩が好きな僕ですが、原田宗典さんが紹介してくださった、「人間臨終図巻〈1〉」山田風太郎の中で紹介されている、中原中也の最期を読んだとき、あまりの切なさにクラクラしてしまいました。
(詳しくはココをご覧ください)

その中原中也の詩ですが、詩心のない僕にはよくわからないものも多いのですが、これから紹介する詩は、とても好きです。


帰郷

柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ
   縁の下では蜘蛛の巣が
   心細さうに揺れてゐる

山では枯木も息を吐く
あゝ今日は好い天気だ
   路端の草影が
   あどけない愁みをする

これが私の故里(ふるさと)だ
さやかに風も吹いてゐる
   心置きなく泣かれよと
   年増婦(としま)の低い声もする

あゝ おまへはなにをして来たのだと・・・
吹き来る風が私に云ふ




室生犀星の「ふるさとは遠きにありて思うもの そして悲しくうたふもの」とか、「うさぎ追いし かの山~」と、小学生の頃に学校で歌った「故郷(ふるさと)」など、故郷を歌うものは多くありますが、


あゝ おまへはなにをして来たのだと・・・
吹き来る風が私に云ふ



という最後の一節は、あまりに強烈です。


さて、そろそろ仕事に行こ!
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以前から、このBlogのプロフィール欄の写真と、twitterのアイコンを変更したいなあ、とぼんやり考えていました。
特に深い理由はないのですが、「何となく」使い始めた写真だったので、やはり「何となく」変えてみたくなったのです。
そこで、過去にデジカメで撮った写真を見返してみたり、それらのうち気に入ったものに手を加えたりしてみました。
そして試しにいくつかをtwitterにアップしてみたのですが、どうもしっくりこなくて、やはり元に戻しました。

ちなみに使っている写真は、ご覧のとおり、アメリカの「route66」です。
シカゴからロサンジェルスまで続く、全長約4,000kmの古いハイウェイ。
いつか子供が大きくなったら、この4,000kmを一緒に旅したいなぁ、などと思っています。
私の愛用するmobileにも、ご覧のとおり、「route66」のステッカーが貼ってあります。

819e4bc8.jpg


プロフィール欄やtwitterのアイコンとして使っている写真は、Jackson Browne の「The Road and The Sky」ではありませんが、遠くまで走る道路が空に続いているようで、「やっぱコレがいいよなあ」とあらためて感じた次第です。


ところで今日、近所の三省堂にフラリと本を見にいきました。
積読が既に200冊ほどに達しているのに、また今日も本を5冊買ってしまった私・・・
そのうちの一冊がこれ。

ルート66で行こう!―Get your kicks on Route 66! (私のとっておき)ルート66で行こう!―Get your kicks on Route 66! (私のとっておき)
(2006/11)
亀井 亜佐夫

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amazonの写真に載っていないのが残念なのですが、実物は帯がきれいな写真なのです。
内容は、半分写真集で半分が旅行記のようなもの。

パラパラとページをめくると、旅に出たくなります。



ところで、

そういえば、twitterのユーザー名を変えてみました。
以前のエントリーで少し触れたのですが、テキトーに決めたユーザー名だったので、今回はもう少し考えて、自分の名前にちなみ「hiro_ocean」としてみました。
どこがちなんでいるのかは、私を知っている方にしかわからないかも知れませんが(笑)
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