風にころがる企業ホーマー

企業法務や経営に関する話題を中心に、気ままに情報発信してます。

2008/05

トンデモ本かな?というのが第一印象でした。

タイトルの「採用の超プロが教える」だとか、
「○○な社長△△な社長」というのが、非常にうさんくさく、
さらに表紙をめくると、「つぶす社長指数チェックリスト」なるものがあり、安っぽさを感じました。

でも読み始めるとすぐに、私の印象が誤りであることに気づきました。
この本で繰り広げられる著者の、深い洞察力と分析力に基づく「社長論」「ビジネス論」は、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、確かに鋭い。

著者はこれまで、3,000人以上の社長に会ってきて、「伸ばす社長つぶす社長」を見てきたそうです。
その経験から、「伸ばす社長」にはいろいろなタイプがいるが、「つぶす社長」にはある共通点があることに気づいたそうです。
これは社長に限らず、「仕事ができる人・仕事ができない人」の区分けにも使えそうで、自分自身の言動を振り返る良い契機になりました。

余談ですが、安田佳生という著者名をどこかで見たことがあったと思い調べてみると、あの「千円札は拾うな。」の著者ではないですか。
やはりこの著者、ただものではないようです。
今後の作品にも期待したいと思います。





採用の超プロが教える伸ばす社長つぶす社長採用の超プロが教える伸ばす社長つぶす社長
(2004/10)
安田 佳生

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「憲法って面白いな」
そう思える一冊です。
法学部出身の方なら、芦部先生を知らない方はいないと思いますが、案外きちんと読んだことがない本なのではないでしょうか。

企業法務という仕事をしていて、憲法の知識が直接的に必要となったり、役にたったりという場面は、そうないかと思います。
でも、法律を大局的な見地から俯瞰するのに、憲法の知識はとても有用だと思います。
とかく私たちは、「法律の条文にはこう書いてある」とか、「判例はこうだ」ということにばかり目がいきがちです。確かに日々の業務を行う上では、法律と判例に則った判断を行うべきでしょうが、その法律や判例を理解するにあたっては、憲法の知識があった方が有利だと思うのです。
いってみれば、憲法の知識を習得すれば、マクロの視点が手に入るということだと思います。マクロの視点がないと、ミクロの世界を彷徨うことになってしまいます。

本書は、司法試験の基本書として受験生に圧倒的な支持を受けていますが、司法試験受験生でなくとも読みきれる内容だと思います。ただし全て理解しようと思って読むと、深い世界に入り込んでしまうので、私たち企業法務担当者としては、おおまかに理解する程度の読み方で十分だと思います。

著者の芦部先生がなくなってもうすぐ10年。亡くなってからも改訂され、売れ続ける本書の魅力を再確認しました。

憲法 第4版憲法 第4版
(2007/03)
高橋 和之、芦部 信喜 他

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ゴールデンウィークも終わりです。
家族とあちこち遊びに行けたので楽しかったのですが、読もうと思っていた本は全く読めませんでした。

唯一読んだのが、いくつかの法律系の雑誌です。
「会社法務A2Z」「ビジネス法務」それから最近のお気に入り「Business Law Journal」。
この「Business Law Journal」は、今年の3月に創刊されたのですが、どちらかというと法律知識に重点を置く前二者とは趣が異なっていて、仕事術や法務相談のテクニック的な話、法務担当者のキャリアパスなどにスポットを当てていて、とても興味深く読めます。

法律系の雑誌といえば、弁護士・司法書士から企業法務担当者までと、愛読者の多い「商事法務」「NBL」。
司法書士・企業法務担当者あたりをターゲットにしていると思われる「会社法務A2Z」。
企業法務担当者をターゲットにしている「ビジネス法務」。
このあたりがこれまでの主な雑誌だったと思うのですが、「Business Law Journal」は、なかなかニッチな市場を切り拓いたと思われます。
今後、20代30代を中心に、愛読者が増えていくのではないかと思いますが、他の法律系雑誌と違い、会社のお金で定期購読できるタイプの雑誌ではないだけに、1,600円という、やや高い値段が、売上を伸ばす際に足かせとなるか要注目です。
BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2008年 06月号 [雑誌]BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2008年 06月号 [雑誌]
(2008/04/21)
不明

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※このエントリは、2012年5月に書いていますが、一番古いエントリになるよう設定しています
※2018年3月 一部更新しました
※2019年12月 一部更新しました
※2022年11月 一部更新しました
※2023年11月 一部更新しました


はじめてこのブログを訪問して下さった皆さん、はじめまして。
少しだけ自己紹介のようなものを書いておきたいと思います。

■「風にころがる企業ホーマー」
これまでの私は、本当に風に吹かれてころがる紙くずか何かのように、コロコロとしたキャリアを歩んできました。
そして「企業法務」を主戦場としようと心に決めた頃、このブログを書き始めました。
とはいえ、「生涯雇われの身」ということが決まってしまっているのではつまらないので、「いずれは経営」ということを意識しながら、いろいろなことを学び、そして経験してきました。
ですのでこのブログは「企業法務系ブログ」として扱って頂くことが多いものの、僕自身はあまり強くそういうことは意識していません。
あえていうなら、法務に関するテーマはできるだけ深く掘り下げつつ、経営に関わるテーマも幅広く扱う、「T字型」のブログといえるかも知れません。


■プロフィール
福岡に生まれ育ち、大学進学と同時に東京に出てきました。
大学を卒業した後3年ほど営業の仕事をし、その後はほぼずっと法律に関わる仕事をしています。
司法書士事務所勤務を経て、大手飲料メーカーで企業法務の経験を積んだ後、ベンチャー企業にて法務部門の立上げを行い、法務・財務・経理・人事その他管理部門全体を管掌する取締役としてIPO準備を進めました。これが30代の頃です。
その後上場ITベンチャーに転じ、さらに組織再編に伴い持株会社に移ったりもしましたが、その後はWeb広告のベンチャー企業で法務をやったり経営企画や管理部門全体を管掌する執行役員としてIPO準備を進めたりということをしてきました。
40代も終盤に差し掛かり、長く親しんできたベンチャー界隈を離れ、現在は古い慣習の残る業界の上場企業で法務部長をしています。
(2023年11月追記)


■SNS
Twitter
@hiro_ocean

Facebook・Instagram ・Threadsのアカウントも持っていますが、仕事への影響を考え匿名にてブログを運営しています。
私のことをご存知の方は、是非FacebookやInstagramなどでも交流しましょう。また、私のことをご存知ない方ともできるだけ交流したいと考えていますので、まずはX(Twitter)あたりで気軽に話しかけてもらえると嬉しいです。
(2023年11月追記)

■出版など
現在は入手できませんが、「日本で最初の法律系の電子書籍を出そう」と、2010年に法務仲間と共著で、【ITエンジニアのための「契約入門」  ~9つのストーリーで学ぶ契約書のはなし~】という本を出しました。
その他、経営分野での書籍の共著が1冊あり、新聞や法律雑誌などにもちょくちょく登場させて頂いております。(2018年3月追記)


■ご注意
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そのため私が所属する会社や、私が関わる仕事とは一切関わりがありません。
エントリの内容によっては、特定の企業などについて言及することもありますが、あくまで個人的な考えに基づくものであり、私が所属する会社などの意見でないことを、念のためここに記しておきます。

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